小川 整体院 の日記
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きんかん
2017.03.11
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きんかんを頂きました。とても甘くておいしいキンカンでした。
薬膳の授業で、きんかんを砂糖で煮詰めて乾燥させたものが、お酒の酔いをさましてくれたり、食欲不振や消化不良によいと学んだことを思い出しました。
きんかんだけではなく,砂糖で調理しているがために胃腸系にもよいということがポイントです。中国の古い書物では、食事で病を治すことを食治、食補といいます。これがいわゆる薬膳です。自然の植物は生のままだけではなく、調理加工することにより医療効果が生まれたり、変化します。そしてその薬効を利用して病を治すのです。
国際中医師として漢方薬で補足をすれば、地黄という根っこは乾燥させて酒で蒸すことにより、滋養強壮の作用が生まれ、体力のないご老人のお薬に使います。新鮮なものは止血作用があるので、女性の不正出血に使ったりします。また生薬によっては優れた効能を持つけれど、便が緩むといった副作用があるために、その副作用を抑える他の生薬と混ぜて使うといった配合の仕方をします。筍をぬかで煮てえぐみをとったり、山菜を重曹であく抜きするのというのも似たようなことです。
「千金要方」という本には「治療をするものは、まず食療をすべし。食療で癒えぬ後薬を用うべし」とあります。「太平聖恵方」では「もし食療で病をなおしたら名医というべし」と書かれています。
食療で病気を治したら名医といわれるのだからそれは困難なことだけれど、飛躍して解釈すれば、日々の食事というのも色んな調理の仕方、色んな取り合わせで食べることも大切なんだよなぁと改めて思いおこされた次第です。
