小川 整体院 の日記
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問診の重要性
2017.02.07
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先日いらっしゃった男性の話。
男性「ずっと前にスノボで腰の骨をバキバキ折って半年入院してたんだよね。」
私「何番目の骨か覚えていますか?」
男性「わかんないけどレントゲンを見たら、骨がクロスしてメチャメチャだったよ。」
私、腰椎の模型を見せて「どの辺りか覚えていますか?」
男性「わかんないけど横に飛び出している骨が折れていた。肋骨だったけなぁ。」
肋骨折ってうつ伏せで入院していたというのはありえない。腰椎の横突起を骨折したとしても、半年入院なんてありえない。重度の骨折をしてオペをしなかったというのも理解できない。本人も説明がめんどくさくなっていらだってくる。
早々に腰のチェックをさせて頂き施術に入り、問診を続ける。
結局若い頃に大病をされて肺の一部を切除され、全身麻酔のオペを避けたかったらしい。そして骨折に関しては、圧迫骨折だったのではと私の中で結論づきました。
カルテに書かれた年齢や職業といった基本情報から既往歴などは、今現在の痛みや痺れの原因を推測していくための重要な資料となります。骨から来ているのか、筋肉から来ているのか、生活習慣からきているのか、推測していきます。実際に施術に入り、筋肉の張り、関節の可動域などを診ながら的を絞っていく。例えば腰が痛いという人が来られた場合、若くてスポーツが好きだと言えばすべり症というのを疑います。ご老人の場合は骨の変形、骨粗鬆症などを疑います。あらゆる徒手検査をしても原因の推測ができない場合は、最悪骨の病気も疑わなければいけない。そういう方には病院を勧めなければいけない。すべり症の人や骨粗鬆症の人に上からの圧迫は避けなければいけない。などなど禁忌的なことを常に意識しながら原因を確認し私は仕事をさせて頂いている。
ちなみに文頭に述べた彼のようなタイプの方も私はまんざらではない。
だいたい過去のことなんて覚えてないし、素人がうまく説明できる訳がない。私にとってこのように痛みやしびれの原因を探っていく過程もこの仕事のおもしろみのひとつでもある。